名前がわかる花と言えば桜とバラと百日草ぐらい、ましてや育てることとは縁遠い人生を歩んできたが、花を愛でる心は持っているつもり。
ということで今回は青いバラについて。
先日の妻の誕生祝いに買ったのがこの青いバラ。
次男のお嫁さんが一緒に住んでいた頃、「妻の誕生祝いに何がいいかな?」と愛らしい彼女に相談したところ、返ってきたのが、「お父さん、お花をもらって嬉しくない女の人はいませんよ…」の一言。以来、誕生日には花を贈るようにしている。
先週の日曜日、近所の花屋さんで予算を告げ、適当なものを見繕ってくれるように頼んだものの、全てお任せでは流石に芸がなさすぎと考え、ショーケースの中を見ると青い花が目に付いた。
「この花は何?」と尋ねると、「バラです。ただし、その青は塗っています。」との返事にゲンナリ。
それでは と全体を見渡したところ、てっぺんに凛と佇む花が2本。
「あれは?」と尋ねると、「青いバラです」との答。以前のニュースでサントリーが成功したというあれだとピンときて、俄然興味が湧き、値段を聞くとわずかに予算オーバー、これ1本でそれまで花屋さんが準備しつつあった十数本よりも高い。
「1本ではまずいかねえ」と花屋さんに相談しながらも、心の中ではもうすっかりその気になっている。
「いいえ、別におかしくはないですよ」の返事を聞く間もなく、「せっかく、準備してくれているのを申し訳ないけど、ではこれを一本お願いします」と即決。
そこで、花屋さんが「はいわかりました。」の後に、「あっ…」と一言、
「どうしたの」と聞くと、「残りの一本もおまけしようかと思って」と…。
ラッキー!
手際よく花を整えながら、花屋さんはこの青いバラを扱うのは今回が初めてで、私が二人目の買い手であること、この近辺で扱っているのは4店しかないこと、普通の花は週に2回入るけどこれは2週間に1回だということなどを嬉しそうに話してくれた。
若い男性だけど、花が好きなことが身体全体から伝わってくる。
そして、「こういうものが花に付いてくるのは初めてです」と言って渡してくれたのがこのパンフレットと鮮度保持剤。
流石、サントリーさん商売上手。
ただし、花屋さんによればあまり儲かってはいないとか。
“SUNTORY blue rose APPLAUSE”のパンフレットから
アプローズとは喝采
花ことばは「夢かなう」
恋人を喜ばせようと僕は摘んだ
赤い薔薇と白い薔薇を。
恋人はどちらの花束も受けとらない・・・
彼女は青い薔薇を摘んできてねと言った。
僕は世界の半分をさまよった、
青い薔薇が咲く土地を探して。
Rudyard Kipling
橋本 槇矩 訳
買ってからもうすぐ1週間、その清楚な佇まい、気品が我が家に潤いを与えてくれている。
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